日本で初めて切手が発行されたのは、1871(明治4)年3月1日で、8文・100文・200文・500文の4種類の切手がありました。3月1日は旧暦のため、現代では毎年4月20日を「郵政記念日」とし、各郵便局において記念行事が取り行なわれています。
日本で切手と呼ぶようになったのには、前島密(まえじまひそか)という日本の近代郵便制度の創始者が「切手」(切符手形:きりふてがたの略)という言葉を当てたからです。お金を払って得た権利を証明する紙片のことを、日本では古くから切手と呼んでいたため、当時の人々にはとても身近な言葉でした。
また、世界で最初の切手は1840年イギリスで、料金の支払い方法が不便であった従来の郵便制度から誕生しました。日本の場合、近代郵便制度の創設とともに切手が登場したので誤解されやすいですが、世界最初の切手は、近代郵便制度の誕生とともに生まれたのではなく、近代郵便制度の発展の中から生まれたのです。
イギリスにおいて、当初余白部分にも記されていたように、切手はラベルと名付けられていました。しかし、この名前は普及しませんでした。今日呼ばれているスタンプとは、切手が誕生する以前に郵便を引受けたことを示す印章のことでした。この郵便制度の中でとても馴染み深いスタンプという言葉が、切手を示す言葉として、広く用いられるようになりました。
はがきという名称の由来ですが、紙の隅の覚え書きを示す端書(はしがき)が語源です。この言葉をもとに、前島密が「葉書」の文字を採用したと推定されています。今日、大きな葉に文字が書けるので、タラヨウノキを郵便を象徴する木と、郵政は指定しています。はがきの語源であるからではなく、はがきは「葉書」と表記されることから、この木が選ばれたといえます。
さらに、郵便という言葉ですが、郵の字は人間の脚力によって文章を運ぶことを意味し(馬脚によると駅の字)、便の字は、音信、信書、手紙を示しています。
切手の消印について 切手が貼られた郵便物を見ると、切手の上にかかるように、郵便局の名前と日付が示されたスタンプが押されていますが、このスタンプのことを、「消印(けしいん)」と呼びます。
1840(天保11)年、イギリスで世界最初の切手が誕生し、郵便料金をすでに支払った証として、郵便物に貼られるようになりました。この切手の再使用(利用)を防ぐ方法として、郵便物に貼られた切手に「消印」が押されたのです。当時の消印は、郵便局の名前も日付も表示されていない、十字架模様のものでした。ただし、切手が使われるようになる以前から、郵便物そのものには、郵便物を引受けた郵便局で日付を示すスタンプが押されていました。切手が誕生し、郵便物に貼られることで、切手の再利用を防ぐ「消印」と、従来から行われていた日付を示す「消印」とが郵便物に押されるようになったのです。つまり、「消印」には、郵便局名・日付を明らかに証示するもの(証示印)、切手が再び使われないように抹消するもの(抹消印)、以上の2つの要素があるといえます。
日本では、近代郵便制度が始まった1871(明治4)年、日本最初の切手の登場とともに消印が初めて用いられれたのは、「検査済」と大きく表示されただけの「抹消印」でした。ところが、この表示だけでは不便であったようで、すぐに地名表示が加わった形態に切り替わりました。「検査済」と大きく表示されただけの「抹消印」が押された当時の郵便物は今日ではとても珍しく、何通も存在しません。もし、市場に登場すれば500万円以上の値段で取引されるのではと言われています。
明治時代の郵便草創期において、「消印」は、それぞれの郵便取扱所(郵便局)で、様々なデザインや表示の「証示印」・「抹消印」が用いられていました。しかし、1873(明治6)年以降、これらの「証示印」・「抹消印」のスタイルが統一されて行き、1888(明治21)年になると、「証示印」が「抹消印」を兼ねた今日の手押しタイプの「消印」の形態が整ったといえます。また、外国宛ての郵便物には、日本の外国宛て郵便制度が整った1875(明治8)年当初から、欧文表示の「消印」が用いられています(現在の形式とはタイプが異なります)。
「消印」の種類は、時代や郵便の用途、郵便局の種類ごと、機械によるものなど、とても多くのタイプが存在しています。
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