金の歴史
現代ではアクセサリーや資産として使われる金。それ以外にもスマホや眼鏡など、私たちの日常生活に欠かせない存在となっています。
そんな金ですが、はるか昔の古代人にとっても必要なものだったのです。
今回は金の歴史について解説していきます。
・金の特徴
金は展性と延性が強く、広げたり薄く延ばしたりすることができます。1グラムあれば長さは約3,000メートルまで延ばせるのです!
金の用途としては、金箔や金糸というものを聞いたことがある方もいるかと思います。
金の産出量は限られているため、有史以前から貴重な資源でした。長い間変わらない美しさを持つため、「不老不死の象徴」として認識されていました。
また、希少価値の高さから「富と権力の象徴」という二面性も持っています。金をめぐり、紛争や争いが個人・国家間で度々引き起こされてきました。
・古代の歴史
最初に人類が金と出会ったのは紀元前6,000年。メソポタミア文明の時代で、古代シュメール人が装飾品を作ったことが確認されています。
金は、特殊な加工技術がなくても扱うことができました。そのため鉄よりも早く利用され、古代の人でも使うことができたのです。
ちなみに、鉄器時代の始まりは紀元前600年頃です。金の方が長く使われているなんて驚きですね。
また、金の純度を示す「24分率」はここが起源という説があります。メソポタミアでは、24の割合で物事を分割する文化があったのです。1日が24時間なのもこれに由来するとされています。
金はエジプトでも重要な役目を担っていました。
ファラオ(古代エジプトの王)の墓や、ツタンカーメンのマスクに使われていたのです。
マスクには純度の高い23金が使用され、棺には150kgを超える金が贅沢にあしらわれていました。
そのマスクの時価は、なんと約300兆円です!歴史的な価値も考慮された金額とはいえ、とても高価ですね。
金は王族の持ち物で、一般人がカケラでも持つことは許されていませんでした。
一般人は金を採取する仕事に就いていました。砂金の中から手作業で探すという非常に効率の悪い方法。これで150kg以上も金を集めたと思うと、とても気が遠くなります。
・中世の歴史
11~12世紀になると、金の細工技術が発達しました。それを専門とする業者が登場したほどです。
金細工の業者が顧客から預かった金を増やしたり、預かり証を発行し金を貸し出したりしました。
この仕組みが銀行の始まりとされています。
ギャランティカードは、そのブランド品が本物であると証明するための保証書です。
ブランド品には偽物が多く存在し、現在では素人が見分けることは難しいほど精巧です。
そのため、正規ルートで販売されたアイテムには、品質を保証するための証明書があるのです。
また、カードがあると修理やメンテナンスの保証が受けられるので買取金額に大きく影響します。
15世紀頃のヨーロッパでは「錬金術」の技術を追い求める技術者が誕生。これは「ほかの物質から金を作り出す」という試みです。古代エジプトから伝わったこの技術はヨーロッパに入って大流行、16世紀には最盛期を迎えます。
神聖ローマ教皇2世は身分や国籍を問わず、錬金術師を優遇したのです。金を作り出す試みは、国家を巻き込んだ一大ブームになりました。
そんな錬金術も終わりを迎えます。18世紀に、「近代科学の父」と呼ばれるアントワーヌ・ラヴォアジエが33の物質を発表。これは現代の元素に繋がる物質です。
この発見により「他の物質から金を作り出すことは不可能」ということが証明されました。
あれほど盛んだった錬金術はあっさりと姿を消すことになります。
しかし、錬金術が残した実験方法や実験器具は化学の発展に大きく貢献しました。「王水」や「火薬」の発明などがその産物です。
・近代の歴史
近代に入ると、金を通貨として使用する国が増えました。
当時の紙幣は金との交換が約束されていました。これは「金本位制」と呼ばれる体制です。アメリカが導入したことで多くの国がこの制度になりました。
しかし、1929年に世界恐慌が発生。金本位制を採用する国は激減しました。1937年にはすべての国で停止が確認されたのです。
現在、世界各国の中央銀行は準備金として金を保有しています。アメリカの保有量が最大で、8,000トン以上を保有しています。
なぜ金を持っているか不思議ですよね。
その答えは、政府とその中央銀行には一定比率以上の外貨等の資産を保有する義務があるからです。
外国への借金を返せなくなったときや、経済の安定のために準備しているお金ということですね。
通貨としては使用されなくなった金ですが、今でも世界にとって重要な資産であることに変わりありません。
・日本との関係
日本で金が初めて発見されたのは8世紀です。現在の宮城県で埋蔵が確認されました。
金は同じ時期に建造されていた東大寺にも150kgほど使用されています。
この頃の日本では金貨が発行されました。「開基勝宝(かいきしょうほう)」と呼ばれるこの金貨は、褒賞目的で作られたものです。
金が通貨としての役割を担いだしたのは鎌倉時代からです。封筒や袋に入れて、取引の際重さを計って使用されました。
戦国時代には各国の大名が鉱山開発を行い、金貨が流通するようになりました。国ごとに金貨が発行され、統一の貨幣ではありませんでした。
この状況で徳川家康が天下統一を成し遂げます。家康は全国の金山銀山を幕府の直轄に置き、小判の開発を行います。バラバラだった貨幣の統一が目的でした。
当時の小判1枚を現在の価値に換算すると、約10万円になります。
日本でも金貨の時代は長く続きません。金の産出量が減り、貿易による金貨の流出が続き、金貨の質が落ちていきました。
明治時代には「新貨条例」が成立。これまでの金貨や銀貨を新しい貨幣と交換することになりました。
こうして日本での金貨の歴史が終了したのです。
・現在の金
現在、金はさまざまな用途で使用されています。
- ・ 工業用品
- ・ 医療機器
- ・ 資産
- ・ 装飾品
など、数えればきりがありません。 加工のしやすさと錆びない性質が幅広い用途の理由だといえます。
現代に入り、金は資産としての価値を上げました。「有事のお金」と言われ、世界で情勢不安が起こると価格が高騰するのです。現在でも右肩上がりで高騰を続け、その価値が高く評価されています。価格が暴落することは考えにくく、今後も安定的に価格が伸びると予想されます。
・まとめ
金は人類の歴史ととても密接な関係があります。古代では権力者のみが所有を許されましたが、近代では貨幣として市民の経済を支える役割を担ってきたのです。
現在はスマートフォンやアクセサリーなど、形を変えて私たちの生活に貢献しています。
金はこれからも、人類の歴史とともに歩みを続けることでしょう。
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2021年08月18日