古銭のお手入れ!汚れた古銭を洗うと価値が下がる?正しい洗浄方法や保管方法をご紹介!
古銭は歴史を物語る貴重な遺物です。そのため、価値を維持するためには適切なお手入れが必要です。誤った方法で古銭を洗浄すると価値を下げてしまう可能性があります。
そこで本記事では、古銭の正しい洗浄方法や保管手段について解説していきます。
古銭のお手入れ方法について不安を抱えている方々は、ぜひ最後までお付き合いください。
古銭は洗浄できる?洗うと価値は変わるの?
古銭の洗浄には注意が必要で、方法によっては価値を損なう可能性があります。
まずは古銭の正しいお手入れ方法や洗い方についてみていきます。
古銭の洗い方とその影響について
古銭を洗う際には慎重になってください。
なぜなら古銭の価値は保存状態に大きく左右されるからです。
正しい洗浄方法の基本は水洗いです。常温の水に漂白剤などを一切加えず、古銭を優しく流水で洗います。柔らかい歯ブラシを使用し、軽く汚れを取り除く程度に留めるのがよいでしょう。そして、水気を十分に拭き取り、自然乾燥させます。
一方で、古銭の価値を守るためには可能な限り洗浄は避けるべきという意見もあります。
古銭の歴史的価値は汚れや経年劣化も含めて評価されることがあるからです。
古銭は錆びていても買取できるため、もし洗浄したいのであれば、専門家の意見を仰ぎ、古銭に対する最適なお手入れ方法を確認しましょう。
古銭の洗浄や磨く行為と法的な問題
現在使われている硬貨を損傷させたり変形するほど削ったりすることは、日本の貨幣損傷等取締法によって禁止されています。違反すると1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科されます。しかし、故意に傷つけたり削ったりしなければ、磨くこと自体に法律上の問題はありません。したがって、軽い汚れを落とすためであれば、罰せられる可能性は低いでしょう。
古銭に上記の貨幣損傷等取締法は適用されませんが、古銭の場合、洗浄や研磨はその古銭が持つ歴史的な価値を下げるおそれがあります。そのため、不安がある場合は古銭を扱っている鑑定士に相談するのがベストです。
このように、歴史的価値のある古銭として評価される硬貨に関しては、慎重に扱う必要があります。硬貨の見た目が気になる方は専門家のアドバイスを仰ぐか、軽く汚れを拭き取る程度に留めることをおすすめします。
古銭の洗浄方法:素材別ガイド
銅や銀、金などさまざまな素材が使われている古銭は、それぞれ独特のお手入れが必要です。ここからは、古銭の素材別に最適な洗浄方法やお手入れのポイントを紹介します。
金貨の洗浄方法
前述のとおり古銭は過度な洗浄や研磨は推奨しません。
しかしながら、どうしても金貨の汚れが気になる場合、次の方法でお手入れすることができます。
1.優しく拭き取る
目の細かい布や、研磨剤の入っていない柔らかいクロスを使用して金貨を優しく拭き取ります。強くこすらないよう、軽く表面をなでる程度に留めましょう。
2.重曹水を使う
重曹を水に混ぜ、金貨を入れてしばらく浸しておく方法もあります。ただし、あまり長時間放置すると金属表面に影響を与える可能性があるので注意してください。
3.超音波洗浄機を利用する
超音波洗浄機を使用する方法もひとつの手段です。超音波の振動によって汚れを浮かせ、効果的に洗浄できます。
古銭への洗浄は価値を損なわないためにも控えた方が良いため、上記の方法を選ぶ際にはいずれの場合も細心の注意が必要です。
銀貨の洗浄方法
銀貨は黒ずみしやすい素材ですが、以下の方法でお手入れすることができます。
1.歯磨き粉
歯磨き粉を使って歯ブラシで優しく磨く方法が有名です。歯磨き粉を付けた歯ブラシで黒ずんだ部分を軽く磨き、汚れを取り除いたら水で洗い流すだけです。身近にあるアイテムで誰にでも行える方法と言えます。
2.研磨剤入りクリームや銅磨きクリーム
研磨剤入りクリームや銅磨きクリームを使って優しく磨くことで、表面の汚れを取り除きます。
3.貴金属磨きクロス
細かな研磨材が付いているクロスを使って磨いてください。銀貨の元の輝きを取り戻せます。100円ショップなどで手に入れることができます。
上記以外にも金貨同様に洗浄効果の高い超音波洗浄機を使用する方法も効果的ですが、硬貨への影響には注意してください。
銅貨の洗浄方法
銅貨は一般家庭の品で手入れできる素材です。
たとえば、酸性の調味料に浸すことで汚れが取れます。具体的には、酢やレモン汁、ソースなどに数分浸した後、軽くこすることでキレイになります。
ほかにも塩やクエン酸、家庭用洗剤(酸性)、重曹もおすすめです。これらにも同じく浸して磨けば、汚れを浮かせることができますよ。
お手入れ後は水でしっかり洗い流し、水気を拭き取って仕上げましょう。
古銭を洗浄する際の注意点
ここまでお伝えしたとおり、古銭を洗浄することはその価値を保護するためにも慎重に行う必要があります。そこで、最後に古銭を洗浄する際の重要なポイントについて解説していきます。古銭の表面や価値を損なうことなく、適切な手法で手入れするためにもしっかり抑えておきましょう。
素材に合った洗剤の使用
古銭は金・銀・銅といったさまざまな素材でできています。
したがって、洗浄に使う洗剤は素材に合ったものを選んでください。たとえば、金貨ならマイルドな洗剤が適していますが、銀貨や銅貨は研磨剤の入っていないクリームや柔らかいクロスがおすすめです。いずれの場合も強力な洗剤には長時間浸けないようにしてください。
洗浄(磨く)際の力加減の注意
古銭を洗浄する際は力加減に注意しましょう。
過度な力を加えると硬貨が傷つく可能性があります。硬貨を傷つける行為は本来の価値を下げる可能性があるため、どうしても汚れが気になる場合は優しく拭き取る程度にしましょう。あくまでも優しくお手入れすることが大切です。
湿気対策
古銭の洗浄後は乾かすことが重要です。
湿気が残ってしまうと、錆や変色が生じる可能性があります。そのため、古銭の洗浄後は徹底的に水分を取り除いてから保管してください。
具体的には、柔らかい布を使って古銭の表面の水分を丁寧に拭き取るとよいでしょう。
また、保管場所にも注意してください。湿気を防ぐためにも、湿度をコントロールできる保管容器や乾燥剤を用いるのもおすすめです。
古銭の正しい保存方法
古銭を長期間保存する際には正しい保存方法を把握しておきましょう。
主なポイントは3つです。
コイン専用ケースを使う
専用のコインケースに保管することで硬貨同士が擦れることを防ぎ、傷つきやすい表面を保護します。なお、ケースはできる限り硬貨の材質やサイズに合ったものを選ぶことが大切です。
布で定期的に拭く
定期的に柔らかい布で古銭の表面を優しく拭くことで汚れや湿気を取り除きます。
ただし、硬貨表面に傷をつけないように気をつけましょう。素材専用のクロスを使用することが望ましいです。
直射日光を避ける
古銭は直射日光を避け、暗い場所で保管することが必要です。長時間の日光にさらされると、硬貨の色合いが変わることがあります。保管場所は温度と湿度が一定していることが望ましいので、窓辺や日の当たる場所から遠ざけましょう。
これらの注意点を守ることで、古銭の美観や価値を長く維持することができます。
まとめ
古銭は、鋳造された背景や法律などの歴史を感じることができる、貴重な貨幣です。
古銭の持つ美しさや価値を守るためには過度な洗浄や研磨を避けることが重要です。また、変色やカビ防止のためにも専用のケースに収めたり、定期的な拭き取りを行ったりなど、適切な保管を行ってください。保管場所の空気の循環にも注意し、ぜひあなたの大切な古銭の価値を守りましょう。
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