コーチの歴史

馬と馬車のロゴや、「C」のモノグラムでおなじみのブランドといえば、COACHですね。
私たちに身近なブランドとして浸透しているコーチですが、その歴史について詳しくお話したいと思います。

コーチの誕生

コーチは1941年にニューヨーク、マンハッタンの倉庫で誕生しました。
当時は「ゲイル」という名前の会社で、立ち上げたのはマイルズ・カーンとリリアン・カーン夫妻、そして6人の職人でした。

主な業務は紳士向け革製品の製造。
財布やベルトのような小物をメインに作成しており、革への熱意と職人による丁寧な仕上がりが高い評価を得ていました。
こうして、着々とニューヨークでその存在が広まっていったのです。

そして1958年、コーチの代名詞とも言える「グラブタンレザー」が誕生しました。
これは野球のグローブを参考にして作られた革です。
職人は「光沢がありしなやか。それでいて美しく丈夫なレザーを作りたい」と考えていました。
そんななか、野球のグラブに目を付けたのがマイルズでした。
野球のグラブは、マイルズが求めるすべての条件を備えていたのです。

そして社名を「COACH」に変更し、1960年代にはコーチのブランド名で商品を発表。
グラブタンレザーを使用したバッグを12個限定で販売しました。
すると、耐久性と品質の高さから瞬く間に人気になりました。
これらの商品は現在の「クラシックコレクション」の源泉となり、今でも品質の高さと耐久性には定評があります。

女性向けデザインの開発

1962年にはボニー・カシンがデザインを担当し、「女性のためのバッグ」というコンセプトの元で次々と新しいデザインを発表しました。
当時の買い物袋から着想を得た「カシンキャリー」や「バケットバッグ」といったアイテムを展開し、ショッピングコレクションとしてカテゴリ化されています。

新しいブランドイメージ

60~70年代のアメリカはジーンズ文化の真っ只中。
若者のファッションも多様化し、カジュアルファッションが徐々に流行しはじめた時期です。
そんななか発表されたのが「ダッフルサック」。
若者のライフスタイルに合わせたこのアイテムは爆発的な人気となり、コーチの看板商品になりました。

ダッフルサックは、かごのようなシンプルな形状。
ショルダーバッグとしても使える機能性と、レザーなのにスポーティなデザインが若者の心を掴みました。
日常使いにも適している構造なので、使うほど味がでるレザーとの相性も抜群です。
現在でもその人気は衰えず、ほとんど形が変わることなくラインナップされています。

また、カシンは「ドッグリーシュ」と「ターンロック」をデザインに組み込みました。
ドッグリーシュは元々、犬用の首輪につける留め金で、カシンがバッグの留め具や正面のアクセントとして採用。今でもコーチのバッグにはおなじみの道具となりました。

ターンロックは、オープンカーに使われる留め具のことです。
これをバッグの蓋やサイドポケットの留め具として使用したのがカシンでした。

おしゃれと実用性を兼ね備えたデザインは当時としては斬新で、ユニークなアイディアがコーチを発展させていくことになります。

地方からアメリカ全土へ

カシンの登場で、コーチは一躍人気ブランドになりました。
しかし、70年代はアメリカ北西部のデパートに売られているという状態でした。
まだ、地方の中小企業という状況だったのです。

ですが、1979年にルー・フランクフォートが新規事業開発担当副社長として入社すると状況は一変。
彼が目指したのは販売路の多角化です。より多くの人々に商品を買ってもらうことが目的でした。

最初に行ったのはカタログの制作です。認知度が上がり、売り上げ増加に繋がりました。
当時流行していた本にコーチのバッグが掲載されたことで、知名度は一躍上昇。若者の間で大流行しました。

次の作戦は直営店の展開です。1981年、ニューヨークに直営店をオープン。
ここが人気になるとデパートのほうも人気になるという相乗効果を生み出し、コーチは発展していきます。

コーチの停滞期

カシンのアイディアとフランクフォートの戦略のおかげで、コーチは着々と規模を拡大していきましたが、1990年代に売り上げが伸び悩みました。

90年代は女性のライフスタイルが多様化し、カジュアルファッションが台頭しはじめた時期だったのです。
コーチが販売していたのはクラシックスタイルのアイテムだったので、時代とマッチしていませんでした。
カジュアルに使えるバッグが求められていたのです。

コーチの転換期

1996年に、リード・クラッコフがエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに就任。
彼は従来の革を使ったクラシックなデザインから、ナイロンを使ったモダンなデザインへと進路を変更しました。

2001年には、COACHの「C」が連続するモノグラムが特徴的な「シグネチャーコレクション」を発表。
今までとは違うカジュアルで新しいデザインが人気を呼び、ブームを引き起こしました。
このモノグラムは「C」を縦横に配置したシンプルなものです。
しかし、色やサイズを変更するだけでさまざまなデザインに使えるので、幅広い世代から受け入れられました。
モノグラムはコーチの顔とも言えるでしょう。

2013年にクラッコフは退任しました、後任にはルイ・ヴィトンなどのデザイナーとして活動してきたスチュアート・ヴィヴァースが就任しました。
彼のデザインもこれまでのイメージにとらわれない斬新なもので、高い人気を得ています。

日本への進出

日本への初進出は1983年、場所は横浜の三越でした。
当時の日本はバブル真っ最中。高級なブランドを持つことがステータスと思われていた時代です。
ブランドロゴが大きく見えるアイテムが人気だったのですが、コーチの製品はどちらかと言うと控えめなブランドロゴ。
ハイブランドと比較すると地味な印象しかなく、あまり人気はありませんでした。

日本で人気が出たのは2001年以降です。シグネチャーコレクションの登場がきっかけです。
これまで静かに店舗数を増やしてきたコーチですが、この人気が追い風となります。

2002年には銀座に、2003年には渋谷にフラッグシップショップがオープン。
これを皮切りに次々に日本の主要都市への出店を行いました。

さらにコーチは地方都市への出店を開始し、現在の店舗数は日本全国に約200店(2015年6月末時点)です。
エルメスは日本に40店舗、ルイ・ヴィトンは56店舗なので、コーチの出店規模がわかると思います。

コーチのブランドコンセプト

コーチのコンセプトは「アクセシブル・ラグジュアリー(手の届く高級品)」です。
手の届きやすさには2つの意味が込められています。
「値段のアクセシブル」と「場所のアクセシブル」です。

先ほど述べたように、店舗数が200店もあるので、大都市にわざわざ行かなくてもコーチのアイテムが購入できます。
さまざまな都市に店舗がありアクセスが良いのは、コーチのブランドコンセプトを意識してのことでしょう。

また、コーチの価格帯をヨーロッパのハイブランドと比較すると約半分程度です。
手の届きやすい価格ながらも商品の質は良いので、「少し手を伸ばせば買えるブランド品」という
ポジションを確立しています。

手の届きやすい高級品を大都市に行かなくても購入できる、2つの「アクセシブル」が消費者にヒットしました。
コーチはそのコンセプトの元でブランドの価値を確立し、世界のトップブランドの仲間入りを果たしました。

まとめ

コーチの創業は1941年と、今から80年前です。
ですが、私たちの知っているコーチはモノグラムが登場した2001年頃に誕生しました。
21世紀に入ってから10年程度で現在のコーチが持ってるブランドの価値を作り上げたのです。
コーチらしさを残しつつも、その時代のライフスタイルに合わせた商品をデザインすることが人気に繋がりました。
今後、私たちの生活様式が変化するたび、コーチはそれにマッチした商品を作ることでしょう。

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