コニャックってどんなお酒?楽しむための豆知識!
コニャックというお酒について、どれだけの知識がありますか。コニャックは厳しい審査を通過した、高級なブランデーの一種です。
そんなコニャックのことについて紹介していきます。
コニャックとは?ワインを蒸留して醸造するブランデーの一種です
ブランデーのなかでも厳しい審査基準をクリアしているため、高級なお酒として楽しまれています。それでは、コニャックに使用されている白ワインのぶどうについて品種を見ていきましょう。
コニャックに使用されているぶどうの品種
まず、コニャック地方で造られているブランデーであることが絶対条件になります。他にも、原料に使用できるぶどうに規定もあり、使用できるものは「ユニ・ブラン」、「フォル・ブランシュ」、「コロンバール」、「モンティル」、「セミヨン」です。
ワインを2回蒸留して、アルコール度数を40度以上に高めます。さらに熟成させるために、リムーザン産のオーク樽で3年以上熟成させることが必要です。
このように、厳しい条件をクリアしたものがコニャックであり、ヘネシーは「コニャックの王様」と呼ばれます。
コニャックに分類されるには厳しい基準をクリア
コニャックと呼ばれるには、第1条件としてコニャック地域で酒造されている必要があります。
上記で記載した通り、原料として使用を認められているぶどうにも制約があり、すべてのぶどうの品種が使えるわけではありません。さらに、コニャックの蒸留に使用するワインのアルコール度数は、7~12%内で収めるように規定されています。
この基準でできたワインを2回蒸留することで、アルコール度数を高めるのが特徴です。抽出したお酒を樽で熟成させる際には、リムーザン産のオーク樽を一般的に使用します。
最低2年以上熟成させた、アルコール度数40%以上のもののみがコニャックです。コニャック特有の琥珀色や、深い味わいはオーク樽で熟成させた証明になります。
コニャックのランク付け
ブランデーのなかでも、高級なブランデーとして知られているのがコニャックです。コニャックは熟成年度によって、さらにランク付けすることができます。
熟成年度を簡単に見分けるには、「コント」という単位で知ることが可能です。コントは、4/1日~翌3月末までが1年とします。
しかし、コント7以上のものは、メーカー独自の規定があるため、熟成年数を見極めるのが難しいです。
そのような場合は、値段が跳ね上がったりしますので、価格を参考にしてみてください。
- 1. スリースター:コント2以上
- 2. V.S.:コント2以上(最低2年熟成)
- 3. V.S.O.P.:コント4以上(最低4年熟成)
- 4. ナポレオン:コント6以上(最低6年熟成)
- 5. X.O.:コント10以上(最低10年熟成)
- 6. オールダージュ(Hors d’âge):コント10以上(最低10年熟成)
5大コニャックの紹介
コニャックの有名ブランドには、5大コニャックがあり、高級ブランデーとしても知られています。
- その1:マーテル
- その2:レミー・マルタン
- その3:ヘネシー
- その4:クルボアジェ
- その5:カミュ
5大コニャックその1:マーテル
マーテルは、1715年に設立したブランドです。5大コニャックのなかでも、とくに古い歴史があります。
設立当時は地元のみで愛されていましたが、今では世界的に有名となり、コニャック地域でも特別なブランデーです。
古典的で伝統を大切にした製造方法を守り、ブランデーチーフになれるのは世襲制によって選ばれます。まろやかな味わいとフレッシュな果実の香りが特徴的です。
マーテルのロゴの由来
マーテルのロゴといえば、ツバメが印象的ではないでしょうか。
このツバメは、ジャン・マーテルが熟成を終えて貯蔵庫からブランデーを出す際のエピソードが基になっています。黄金のツバメが熟成を祝福するかのように、樽の上を飛んでいた光景がロゴの由来です。
ちなみに、ロゴのツバメは「ゴールデンスワロー」と呼ばれています。
5大コニャックその2:レミー・マルタン
レミー・マルタンは、1724年に設立されたブランドです。飲んだことはなくても、名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。
最大の特徴は、原料となるぶどうにあります。
レミー・マルタン全シリーズに使用されているぶどうは、「グランド・シャンパーニュ」と「プティット・シャンパーニュ」で栽培されているものだけです。どちらの土壌もコニャック地方では上質で、1位、2位を争います。
レミー・マルタンの特徴は、原料のぶどうだけではありません。伝統的な醸造方法も独自なものです。
通常は、リーズ(ぶどうのカス)をろ過してから、蒸留の工程を行います。
しかし、レミー・マルタンではリーズをろ過せずに、ゆっくりと時間をかけて蒸留するという、アミノ酸が多く含まれる製法です。このアミノ酸が、レミー・マルタン独自のコクを生み出します。
レミー・マルタンのロゴ
レミー・マルタンのシンボルといえば、ケンタウロスのマークです。レミー・マルタンのコニャックを飲んだことがない人でも、見たことはあるのではないでしょうか。
このケンタウロスのマークが、ブランドのロゴのきっかけになったのは、メゾンの海外進出・拡大のときでした。
ポール・エミール・レミー・マルタンは、天文学の愛好家です。その彼が、ケンタウロスのマークを選出したのは、射手座だったからといわれています。
5大コニャックその3:ヘネシー
ヘネシーは、1765年に設立されたブランデーのブランドです。250年以上の歴史があり、現在ではコニャックの王様と呼ばれることもあります。
高級品として日本の高級クラブでは、ドンペリに並んで有名なお酒です。高品質で味や風味へのこだわりが強く、愉しむためのお酒として人気があります。
原材料のぶどうや熟成に使用する樽にも、気を使っているのが特徴です。
ヘネシーのロゴの由来
コニャックの世界市場で40%のシェアを持つ、「コニャックの王様」がヘネシーです。
そんなヘネシーのロゴは、斧を持った手をモチーフにしています。これは、アイルランドの将校でもあったリチャード・ヘネシーの紋章を参考にしているというのが由来の説です。
5大コニャックその4:クルボアジェ
1809年にパリで創業し、現在のコニャック地方に工場を移したのは1928年です。ナポレオン皇帝が愛した皇帝御用達のコニャックのため、別名「ル・コニャック・ド・ナポレオン」と呼ばれます。
「グランド・シャンパーニュ」、「プティット・シャンパーニュ」、「ボルドリ」「ファン・ボア」の土壌で栽培されたぶどうを独自にブレンドしているのが特徴です。
現在はサントリーの子会社が所有しているため、日本でも馴染み深いものになります。
クルボアジェのロゴマーク
別名「ル・コニャック・ド・ナポレオン」と呼ばれるクルボアジェのロゴマークは、ナポレオンをモチーフにしています。ぱっと見ただけではわかりづらいですが、ナポレオン皇帝が帽子を被り、コートを着ているシルエットだそうです。
ロゴの由来は、ナポレオン皇帝御用達だったからといわれています。
5大コニャックその5:カミュ
最後に紹介するのは、1863年に設立されたカミュです。家族経営を行っている大手コニャックメーカーで、コニャックのなかでもとくに高価なものを扱っています。
味や香りがまろやかで飲みやすいのが特徴です。私たち日本人の口に最も合うブランデーだといわれています。
ロンドンの国際コンペティションに3回参加し、すべてで金賞を受賞したことから「世界最高のコニャック」とも呼ばれているので、機会がありましたら、ぜひ味わってみてください。
カミュのロゴ
日本人の口に最も合うといわれているカミュのロゴは、三つ葉のついれているた十字架をモチーフにしてます。
「えっ!三つ葉の十字架?」となった方もいるのではないでしょうか。第一印象は、普通の十字架か四つ葉のクローバーに見えるそうです。
ロゴの由来は、貯蔵庫の鍵の形がこの三つ葉十字架に見えたかららしいですよ。
コニャックの美味しい飲み方
コニャックは芳醇な香りと深いコクを味わえるお酒です。おすすめの飲み方は、ストレートやロックになります。しかし、アルコールに強くない人には、40度のお酒はとてもきついですよね。
コニャックは、水割りやソーダ割をすることでまろやかな味わいを楽しむことができます。ドライフルーツやナッツ、ビターチョコレート、コーヒーなどとによく合うそうなので試してみてください。
渋くハードボイルドに攻めるのならば、太めの葉巻と楽しむのが王道のスタイルです。
刃牙に登場したコニャックとアメ
人気連載漫画「範馬刃牙」にもコニャックが登場しているのは、知っていますか。
同漫画の第78話「助言」のワンシーンです。範馬勇次郎がコニャックを飲んでいる場面があります。範馬勇次郎がコニャックと一緒にアメをなめているので印象的です。
それでは、何のコニャックを飲んでいるのでしょうか。調べてみた結果、誌面に登場した「ハーディ・ドス・ノール…」という酒は残念ながら見つけることができませんでした。
ただ、A.ハーディHARDYクリスタルデキャンタという、似た商品を見つけることができます。果たしてこれが正しいお酒なのかと疑問ですが、見た目から範馬勇次郎の気分になれますよ。
あと、もう一つの謎……。彼のなめていたアメが気になりますね。ニセ範馬勇次郎になりたい人は、彼のようにコニャックとアメを合わせてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ブランデーのなかでも、とくに高級な種類にコニャックがあります。コニャックは厳しい条件をクリアした特別なお酒で、値段もピンからキリです。
比較的手頃な価格で高級感を味わえるものもあります。コントや等級、値段と相談しながらお酒を楽しんでみてください。
この記事は参考になりましたか?