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宝永四ツ宝丁銀の買取相場は?宝永丁銀としての特徴や価値を解説!

「宝永四ツ宝丁銀が家にあって売りたいけど、価値がわからない」
「宝永四ツ宝丁銀をもらったので、それぞれの価値や違いを知りたい」

祖父母から譲り受けた、家から出てきた宝永四ツ宝丁銀を見てどうしようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

宝永四ツ宝丁銀とは、江戸時代に鋳造された銀貨の一種です。銀品位は20%と低いですが、品質にとらわれない・お金そのものに価値を見出さないという貨幣価値の提唱など、国内造幣に影響を与えた貨幣とされています。

本コラムでは、宝永四ツ宝丁銀の買取相場や特徴・価値などについて紹介します。

宝永四ツ宝丁銀に興味がある方や、持っている宝永四ツ宝丁銀を売りたい方は、ぜひ参考にしてください。

宝永四ツ宝丁銀の歴史

宝永四ツ宝丁銀の買取相場を知る前に、まずは以下について知っておくことが重要です。

宝永四ツ宝丁銀のことや丁銀そのものの意味、宝永丁銀の特徴などを知っておけば、買取相場や実際に出た買取価格について納得できます。

そもそも丁銀ってなに?

丁銀は、銀貨の一種です。

現代の紙幣・硬貨や小判などは計数貨幣と呼ばれており、額面で価値が決まっています。

しかし昔には、重さで価値が変わる「秤量貨幣(しょうりょうかへい)」というものもありました。丁銀はその一種です。

丁銀には多くの種類がありますが、形は不ぞろいで、見た目だけでは区別できません。「極印」と呼ばれる表面に彫られた絵柄や文字で、丁銀の種類を判別していたのです。

形はどの種類でも縦長の棒状で、「ナマコ形」と呼ばれていました。

重さはだいたい43匁(120~180g)です。

丁銀は、43匁の塊から必要な額分だけを切り取って使う貨幣でしたが、43匁の丁銀は米2~3石(約360~540kg)もの価値がありました。普段の買い物で使うために持ち歩くには、かなりの高額です。

さらに、支払いをするたびに丁銀を切ったり計ったりするのも大変でした。そのため、日常的な買い物では丁銀よりも軽くて安い「豆板銀」という銀貨を使っていたのです。

また丁銀は、豆板銀とあわせて包んで幕府に献上したり、大金のやり取りをする際に使ったりする「包銀」になることもありました。

宝永丁銀の歴史

宝永丁銀とは、丁銀の種類のひとつです。「秤量貨幣」という貨幣で、1704年から鋳造されました。

形は縦長の棒状で、表面には大黒様の絵柄や「寳」や「宝」の文字を刻んでいるのが特徴です。

1703年以降、元禄の関東大震災・宝永の大震災・富士山の噴火などが起きたことから、幕府の財政は困窮していました。宝永丁銀は、幕府の財政難を補うために品位を下げて鋳造された貨幣なのです。

宝永丁銀には以下の種類があります。

・宝永永字丁銀
・宝永正字丁銀
・宝永四ツ宝丁銀

宝永永字丁銀

宝永永字丁銀は、1710年4月4日から鋳造された丁銀です。秤量貨幣であり、単に永字丁銀(えいじちょうぎん)とも呼ばれます。

表面には「大黒像」や「寳」の文字、両端の二箇所の「宝」字とその内側にやや小型の「永」字極印が打たれているのが特徴です。「常是」の極印はありません。

宝永正字丁銀

宝永正字丁銀とは、1710年に朝鮮や琉球の使節に贈るために鋳造された特別な丁銀の一種です。

秤量銀貨であり、異国被下銀とも呼ばれます。表面には「寳」字と大黒図柄のほかに、「正」字の極印が打たれています。

品位は慶長丁銀と同一で、「正」とは「正銀」であり本来の銀品位であるという意味です。

宝永四ツ宝丁銀

宝永永字丁銀、宝永正字丁銀の次に製造されたのが、今回のメインとなる「宝永四ツ宝丁銀」です。

宝永四ツ宝丁銀の歴史

1711年から鋳造がはじまった「宝永四ツ宝丁銀」は、表面に4つの「宝」の印が刻まれている貨幣です。正徳期に作られたものですが、宝永期の貨幣と似ていたことから「宝永」と呼ばれました。

当時、勘定奉行だった荻原重秀(おぎわらしげひで)は「お金は瓦でもいい」と言い、品位を下げた貨幣を作りました。「お金の価値は、幕府や国家が認めることが大事」だと考えていたのです。こうした「お金そのものに価値を見出さない」という荻原重秀の考えは、現代の貨幣に関する考えにも引き継がれています。

宝永四ツ宝丁銀の品位は、銀が20%・銅が80%です。

しかし、鋳造のし直しを繰り返すうちに品位はどんどん下がっていきました。鋳造を繰り返したおかげで幕府は350万両の利益を得たものの、銀の価値も下がったためひどい物価上昇が起こります。特に米の値段が高くなり、商人たちの資産も減りました。

そして後に正徳銀や享保銀などの良質な銀貨に取って代わられ、1723年に通用停止となりました。上方の商人たちが発展していた時代が、ここで終焉を迎えたのです。

時は流れ、宝永四ツ宝丁銀は今とても貴重な貨幣となっています。1枚につき30万円~60万円の価値になることもあります。

買取業者を探している場合は、さまざまな業者に見てもらってから売るのがおすすめです。

宝永四ツ宝丁銀のデザインと特徴

宝永四ツ宝丁銀は、銀の含有率が20%と少なく、銅が80%を占めている点が大きな特徴です。銀が少ないため、銀色ではなく赤みがかった色をしており、発色が失われると銅の塊のようになります。

宝永四ツ宝丁銀の表面には、大黒像や寳の文字が刻まれています。さらに両端に刻まれているのは、大きな宝字の極印と、小さな宝字の極印です。それぞれ2つずつ打たれており、計4つあることから「四ツ宝丁銀」と呼ばれています。

また、丁銀の両端には「宝」の極印があります。「宝」「玉」の部分の縦棒がウ冠まで突き抜けており、玉の一番下の横棒が跳ねているのも特徴のひとつです。

また、両隣の宝の間にも、同様の小さめの「宝」が2か所彫られています。計4か所に「宝」の文字があることから、「四ツ宝丁銀」と呼ばれているのです。

希少価値が高い宝永四ツ宝丁銀の買取相場は?

宝永四ツ宝丁銀の買取相場は、数十万円~数百万円とされています。

具体的には、鑑定書がない通常型の上品(143g)だと約70万円、鑑定書がある上品(190.7g)だと90万円近くです。丁銀の状態や鑑定書があるかどうかによって変わってくるものの、下品~上品で40万円~90万円前後だと考えられます。

なお、丁銀のひとつである十二面大黒丁銀は、鑑定書なし・状態不明で約160gの重さの品が155万円ほどで取り引きされています。状態が良く、鑑定書もあればさらに高い値がつくかもしれません。

宝永四ツ宝丁銀の製造期間は、1711年9月14日~1712年10月中まで約1年余りです。期間が短く、現存数も少ないことから高い希少価値があり、貴重な銀貨とされています。

宝永四ツ宝丁銀を高額査定してもらうためには

宝永四ツ宝丁銀を高額査定してもらうコツは、以下のとおりです。

・貨幣をケースに入れるなどして保管の仕方に気を付ける
・鑑定書を用意する
・完成品か切銀か確認する
・極印の数や種類を確認する
・買取業者を比較する

宝永四ツ宝丁銀に限ったことではありませんが、古銭はやはり汚れ・傷・欠損などがあると査定額が下がります。密閉されたケースなどで保管し、湿気や直射日光を避けるようにしてください。

また、 鑑定書の有無も査定額に大きく影響します。

ここで言う鑑定書とは、日本貨幣商協同組合にある鑑定委員会にて発行される貨幣・古銭の本物公式証明書のことです。鑑定書があることは「品質に問題がなく本物である」という意味であるため、査定額が上がります。鑑定書がない場合は、専門家に鑑定してもらってください。

さらに、完成品か切銀かの確認も重要です。

完成品とは、鋳造したときの形を保っている貨幣のことで、切銀とは重さに応じて切り分けられた貨幣をいいます。完成品のほうが切銀よりも価値が高いとされているため、重要な査定ポイントといえます。

他には、極印の数や種類を確認することや買取業者の比較も重要です。極印は貨幣の価値を決める重要な要素であり、極印の数が多いほど希少性が高く、査定額が上がります。

買取業者も、それぞれ査定基準や買取価格が異なります。複数の買取専門業者に査定してもらい、一番高い査定額を提示した業者に買取してもらうのがおすすめです。古銭に関する知識や経験が豊富で、信頼できる業者を選ぶようにしてください。

まとめ

宝永四ツ宝丁銀は、江戸時代に鋳造された貴重な銀貨です。 銀品位が20%と低いものの、国内造幣に影響を与えた貨幣のひとつといえます。

品位の低下や他の銀貨の登場により、10年少しで通用停止となったものの、現在では高い希少価値を持っています。買取相場は数十万円~数百万円で、鑑定書があったり状態が良かったりすれば、もっと査定額が上がるかもしれません。

高額査定してもらうためには、保管の仕方や鑑定書の有無などに気を付ける必要があります。良い鑑定結果につながるよう鑑定書など必要な物を揃え、保存状態にも気を配り、知識豊富な買取業者に相談してみてください。



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よくあるご質問 Q&A

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