小型50銭銀貨（鳳凰50銭銀貨）とは？プレミアがつく年号と買取相場について解説！

小型50銭銀貨（鳳凰50銭銀貨）の概要

ここでは、小型50銭銀貨(鳳凰50銭銀貨)とは一体どういうアイテムなのかについて概要を解説していきます。

発行年

鳳凰50銭銀貨は、大正11年（1922年）から昭和13年(1938年)にわたり、約16年間製造されました。

中央に書かれた「五十銭」の文字の両端に、一対の鳳凰が向き合うように描かれているデザインが特徴的です。

品位

鳳凰50銭銀貨の品位は、銀が約72％、銅が約28％となっています。

発行されはじめた当時は、銀の価値が高騰し続けていました。それに伴い、元々80％だった銀の含有量を72％まで落として発行されました。

重さ

鳳凰50銭銀貨の重さは4.95gで、直径約23.5mm、厚み約1.2mmとなっています。

小型50銭銀貨ということもあり、明治時代などに発行された他の50銭銀貨と比べると重さも大きさもやや小ぶりです。

小型鳳凰銀貨は最後の50銭銀貨

鳳凰50銭銀貨は、日本に流通し法定通貨として使用されていた最後の50銭銀貨です。

昭和13年まで製造され、製造終了後も桐一銭青銅貨と共に広く国民に浸透していました。しかし昭和28年の少額通貨整理法に基づき、1円未満の貨幣が廃止となったため鳳凰50銭銀貨も法定通貨としての機能を失ったのです。

小型50銭銀貨（鳳凰50銭銀貨）の買取相場とプレミア

ここでは、小型50銭銀貨（鳳凰50銭銀貨）の買取相場やプレミアがつく年号はあるのかについて解説していきます。

今の価値は50銭ではない？

結論から言うと、鳳凰50銭銀貨の今の価値は50銭ではありません。

ただ、銀の含有量が少ないことや発行された年数の長さ、流通量などを考慮すると古銭としてあまり希少性は高くありません。

買取相場は数百～数千円となっており、元々1円の半分の額面だったと考えると売却する価値はあるでしょう。

まれにあるエラーコインなどは、通常のものとは異なり希少価値が高いため、数万円で取引される場合もあります。

昭和13年の50銭銀貨はプレミアが期待できる

鳳凰50銭銀貨は、製造が終了した昭和13年のものが最も発行された枚数が少ないとされています。

そのため他の年号のものよりも希少性が高く、通常は数百～数千円ほどの相場なのが、昭和13年製は数万円の値で取引される可能性もあるでしょう。

小型50銭銀貨（鳳凰50銭銀貨）の真贋方法

鳳凰50銭銀貨の真贋を見極める方法はいくつかあります。

ここでは、見極める際に見るべきポイントについて解説していきます。

重さをはかる

鳳凰50銭銀貨の真贋は重さをはかることで見極めることが可能です。

通常重さは4.95gですが、偽物の場合はかけ離れている場合があります。

また大きさに関しても直径約23.5mm、厚み約1.2mmと大きく異なっている場合は、偽物を疑うべきでしょう。

デザインを確認する

刻印などデザインを確認することで見極める方法もあります。

本物の場合、表には「五十銭」の文字や一対の鳳凰が描かれており、裏には年号や細かい柄が精巧に描かれています。

しかし偽物の場合は文字が雑に書かれていたり、よく見ると潰れていたりなどデザインの質が低いのが特徴です。

ただし長い年月でついた傷といった可能性もあるため、専門知識のある業者に判断してもらいましょう。

磁石で測る

磁石に付くかどうかも見るべき重要なポイントです。

鳳凰50銭銀貨の品位は銀が約72％、銅が約28％となっています。この銀や銅は、基本的に磁石にくっつくことはありません。

しかし偽物の場合、銀や銅の代わりに鉄などの別の金属が含まれていることで磁石にくっつくことがあります。そういった場合には、別の金属が含まれている可能性を考え、偽物を疑いましょう。

その他の50銭銀貨

鳳凰50銭銀貨以外の50銭銀貨についても概要を解説していきます。

旭日竜大型50銭銀貨

旭日竜（きょくじつりゅう）大型50銭銀貨は明治時代に入ってから一番はじめに発行された50銭銀貨です。表には日本の象徴とされていた竜、裏には菊と旭日の模様が描かれていました。

この時代、明治から昭和にかけて発行されていた他の50銭銀貨と比較すると、大きいのが特徴です。直径が約32.1mmあり、鳳凰50銭銀貨の直径23.5mmと比べると、8.6mmほど大きく作られています。

旭日竜大型50銭銀貨には、明治3年と4年に作られたものが存在しており、その中でも明治4年前期に作られたものが一番希少価値が高いとされています。

明治3年に発行されたものは、普通の品だと5,000円ほど、状態の質が良い品は数万円が買取相場です。ただ、より希少価値の高いとされる明治4年前期に発行されたものは、数万円ほどが買取相場となっていて、状態が良い場合は10万円前後で取引される場合もあります。

旭日50銭銀貨

旭日50銭銀貨は、明治時代終わりに発行されていた銀貨です。時代が移り変わり、大正時代になっても発行が続けられましたが、約10年ほど発行され製造が終了しました。

今までの銀貨の裏面には日本の象徴「竜図」が描かれていましたが、この銀貨のデザインには小桜と旭日の模様が採用されました。表面には、額面や菊紋や桐枝などが描かれており、精巧なデザインとなっています。

発行枚数が多いことから希少性があまり高くなく、状態があまり良くない品だと数十～数百円ほどが買取相場です。ただ、未使用品だと1,000円～25,000円ほどの値が付くでしょう。

八咫烏50銭銀貨

八咫烏（やたがらす）50銭銀貨は、発行はされたものの流通することなく製造終了してしまったため極めて希少価値の高い50銭銀貨です。

現存しているのはたった10枚程度と言われ、未使用品の場合は100万円前後で取引されることもあります。ある程度傷がついている品の場合でも、10万円～50万円ほどで取引されています。

元々第一次世界大戦によって銀の価格が急激に上昇し、それに伴い製造されたのが、銀の含有量を減らした八咫烏50銭銀貨です。しかし銀の価格高騰が止まることを知らず、鋳潰点（いつぶしてん）を上回ってしまいました。鋳潰点とは、銀などの金属の価格が貨幣の額面価値を超えてしまう境目のことです。これにより、銀を溶かし売りさばかれるようになったために、製造が中止されました。

大正8年に製造が終了し造幣局に引き上げられ、鋳潰されたため、現存している数が極端に少なくなっています。

まとめ

本記事では、ここまで鳳凰50銭銀貨についての概要やプレミアがつく年号、買取相場などについて解説してきました。

鳳凰50銭銀貨はほとんどの場合、額面以上の価値で取引されています。

査定や売却を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください！