蒸留酒や醸造酒と呼ばれる種類があるお酒!種類や違いを徹底解説
ストレス発散やコミュニケーションを楽しむなどを理由に、お酒を飲む人が多いと思います。
お酒と言っても種類があり、ワインや日本酒、ウイスキーやウォッカ、ビールなどさまざまです。そんな、豊富な種類のお酒ですが、大きく分けて蒸留酒と醸造酒に分けることができます。
そこで、今回は蒸留酒と醸造酒の違いについて紹介します。
蒸留酒とはどんなお酒?
蒸留酒といえば焼酎やウィスキーといったイメージが思い浮かぶものの、具体的にどのようなお酒なのかよくわからない人もいるのではないでしょうか。
簡単にいうと、蒸留酒は醸造酒を蒸留して作るお酒です。
蒸留酒の歴史は非常に古く、紀元前4〜3世紀ごろには存在していたことがわかっています。
また販売されていた蒸留酒で最古のものといえば、6世紀ごろのアイルランドで誕生した「ポティーン」が有名です。
日本における最古の蒸留酒として知られているのは、13世紀ごろに誕生した沖縄の泡盛です。
蒸留酒は、アルコール度数が非常に高く、40〜60度あるものが多い傾向です。
そのため、かつて消毒薬代わりに使用されていた時代もありました。
では蒸留酒がどのようなお酒なのか、製造方法やカロリーなどの面から見てみましょう。
製造方法やカロリー、種類について
原料となる米や麦芽、ブドウ果汁などを酵母菌でアルコール発酵させたものが醸造酒です。
蒸留酒を製造するときは、醸造酒をいったん加熱して気体化します。
アルコールの沸点は水より低いため、醸造酒を加熱するとアルコールを分離することが可能です。
次に、気体化したアルコールを再び冷やして液体化します。
醸造酒からアルコール分のみを取り出しているため、醸造酒より高いアルコール度数のお酒ができあがるというわけです。
蒸留されたお酒は、深い味わいとコクを感じられます。
蒸留酒のカロリーはお酒の種類によって異なります。
例えば、泡盛は1杯あたり140kcal前後、ウィスキー、ブランデー、ウォッカは1杯あたり225kcalほどです。
このように、蒸留酒は0カロリーではありません。
ただ、醸造酒と比較するとカロリーが低いのが特徴となっています。
蒸留酒が太りにくいといわれているのは、カロリーのほとんどがアルコール由来だからです。
アルコール由来のカロリーは糖や脂肪になりにくく、優先的に代謝分解されて熱に変わります。
醸造酒の種類は、ウィスキーやブランデー、ウォッカのほかにジン、テキーラ、ラム、焼酎などが挙げられます。
いずれも高アルコール度数のお酒として有名です。
ちなみに、ウィスキーはビールの蒸留酒、ブランデーはワインの蒸留酒、日本酒の蒸留酒は焼酎となっています。
お酒は製造方法によって3種類に分けられる
お酒は製造方法によって「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種類に分けられます。
醸造酒は米や麦芽、果汁などに含まれているデンプンや糖分を酵母菌で発酵したお酒で、例を挙げると日本酒やワイン、ビールなどです。
蒸留酒は醸造酒を蒸留後に冷やしたお酒で、前述したように焼酎やウィスキー、ブランデーなどがあります。
混成酒は醸造酒や蒸留酒にアレンジを加えたお酒です。
混成酒を製造する際には、果実やハーブ、香辛料、薬草などを加えており、主なものはリキュールや果実酒、梅酒、みりんなどです。
お酒を蒸留するメリットは?
お酒を蒸留することで純粋なアルコールのみを取り出せます。
そのため、アルコール度数が高いお酒を製造することが可能です。
蒸留するほどアルコール度数が高くなり、蒸留1回で40度以上、2回で90度以上にできます。
アルコール度数が高いお酒は、かつて消毒薬の代わりとして使用されていたことからもわかるとおり、菌が繁殖しにくい状態となるため、長期間保管することが可能です。
蒸留の仕組みは?
お酒を蒸留する方法は、「単式蒸留」と「連続式蒸留」の2通りあります。
単式蒸留
単式蒸留は、昔から行われてきた蒸留方法です。
ポットスチルと呼ばれている単式蒸留機に発酵液を入れ、ボイラーで熱した蒸気でアルコールを沸騰させます。
気体になったアルコールは冷却槽に移動し、らせん状導管を通って冷却されて蒸留酒の完成です。
単式蒸留は1度に1回の蒸留となるため、アルコール度数を高めるには丁寧に何度も蒸留する必要があります。
そういった蒸留酒は高級ブランデーやウィスキーとして人気です。
連続式蒸留
単式蒸留に対して、連続式蒸留は1回で数十回の蒸留ができる方法です。
30~60段程度の棚がある連続式蒸留機を使用します。
発酵液槽から蒸留塔内にある棚の中間辺りに発酵液を注入し、下段の棚に流れ落ちる仕組みです。
ボイラーで熱せられた蒸気がアルコールを沸騰させ、気体化します。
連続式蒸留では上の段にあがるたびに蒸留が繰り返され、冷却槽へと移動すると液体化して単式蒸留よりさらにアルコール度数が高いお酒の完成です。
蒸留酒と醸造酒 3つの違い
以下の各違いについて詳しく紹介していきます。好みのお酒がどちらの酒類なのか解るので、ぜひ、あなたの日頃嗜むお酒で考えてみてください。
- 製造工程の違い
- 味わいの違い
- 糖質やアルコール度数の違い
蒸留酒と醸造酒の違い(1)製造工程の違い
醸造酒とは、米や麦、ぶどうなどの原料に酵素や酵母を加えて発酵させたものを言います。
蒸留酒は、ざっくり説明すると醸造酒を加熱しアルコール分を抽出したものです。
蒸留酒と醸造酒の違い(2)味わい
醸造酒と蒸留酒では、味わいが全然違うのが特徴です。
醸造酒は、上記で示したように原料に酵母や酵素を加えて製造します。
なので、原料に使われたぶどうの皮や種などの不純物が製造過程で含まれることもあります。
しかし、蒸留酒は醸造酒を加熱してアルコール分を抽出する過程で、不純物が含まれることがほとんどありません。
この、不純物が有るか無いかで、味に複雑な深みがでます。
蒸留酒と醸造酒の違い(3)アルコール度数や糖質
醸造酒と蒸留酒の違い3つ目は、アルコール度数や糖質です。
醸造酒は製造の過程で糖質が多く含まれます。
しかし、蒸留酒の場合、蒸留を行う過程で糖質がほとんどなくなります。
そのため、お酒類が好きで糖質が気になる人は、蒸留酒を選ぶ人が多いです。
さらに、蒸留酒は醸造酒を加熱することで、アルコールを抽出して製造するのでアルコール度数が高くなります。
蒸留酒と醸造酒の種類を紹介
蒸留酒と醸造酒にはさまざまな種類があります。ここでは醸造酒3種、蒸留酒5種について特徴を紹介します。
醸造酒の種類と特徴
日本酒
日本酒は日本独自の製法で作られています。
1つのタンク内で原料の米に含まれているデンプンを麹で糖化し、糖化したものに酵母菌を加えて発酵することで完成するお酒です。
米や麹、水で作るものを純米酒、純米酒と醸造アルコールで作ったものを本醸造酒と呼びます。
米本来の味わいや香りを感じたい場合は純米酒、クリアでさわやかな味わいを楽しみたい場合は本醸造酒がおすすめです。
原料の米の種類や精米度合いなどによって味が変わるため、料理によって日本酒を変えて料理とお酒の両方を堪能することもできます
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ワイン
醸造酒のなかで最も歴史が古いのがワインです。
世界最古のワインは、紀元前6000年ごろの東欧コーカサス地方にある現ジョージア(かつてのグルジア)で発見されました。
当時から伝わるクヴェヴリ製法(土の壺を使用して作る)が有名です。
一般的に、ワインは原料のブドウを木製の樽の中で発酵させます。
これにより香り高く芳醇な味わいを楽しむことができるのです。
白ブドウが原料の白ワイン、黒ブドウが原料の赤ワインの2種類があり、白ワインは赤ワインより酸味が感じられるのが特徴といえるでしょう。
ビール
世界各国ではさまざまなビールがありますが、それぞれの国の特徴が出たものが多い傾向です。
例えばドイツやベルギーはビール大国ですが、ドイツにはビールだけで5,000種類以上あるといわれています。
ビールの主な原材料は麦芽やホップで、どのような種類の原材料を使用するかで幅広い味を作り出すことが可能です。
日本のビールもこだわりの製造方法によっておいしさが増し、高い人気を誇っています。
クラフトビールを楽しむ人も右肩上がりで増えているのです。
蒸留酒の種類と特徴
焼酎
焼酎は米や麦、サツマイモやソバなど豊富な原材料です。
アルコール度数45度以下のものが焼酎乙類、35度以下のものが焼酎甲類と呼ばれています。
焼酎乙類は、原材料の味や香りそのものを楽しめるのが特徴で芋や米、麦が原料の焼酎は多くが乙類です。
焼酎甲類は大量生産できるため、さまざまなタイプを楽しみたいときにぴったりでしょう。
シンプルな味を楽しみたいときは米や麦の焼酎、風味を感じたいときは芋や黒糖の焼酎がおすすめです。
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ブランデー
一般的にブランデーは白ワインを蒸留し樽で熟成させます。
原材料の白ワインは白ブドウが使用されており、深い琥珀色と芳醇な香りが特徴です。
フランスのコニャック地方で白ブドウを原材料に製造されている「コニャック」、同じくフランスのアルマニャック地方でリンゴや洋ナシを原材料に製造されている「アルマニャック」などがあります。
フランスのノルマンディー地方で製造されている「カルヴァドス」は人気がある蒸留酒です。
リンゴを原材料にしているため、アルコール度数が40度ありながらも甘みがあります。
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ウイスキー
ウイスキーは大麦や小麦、ライ麦、トウモロコシといった穀物が原材料です。
蒸留したあとで木製の樽内で熟成させて完成させます。
大麦麦芽を原材料にしているものが「モルトウィスキー」、小麦やトウモロコシなどに大麦麦芽を加えたものが「グレーンウィスキー」です。
そのほかにはスコットランド産の「スコッチ」、アメリカ産の「バーボン」が知られています。
ウイスキーの味や色合いに関わっているのが熟成中のオーク製の樽から染み出るタンニンなどです。
樽に使用されているオークの種類によって、ウイスキーの色や味わいが変わります。
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ウォッカ
ウォッカは大麦や小麦、ライ麦、じゃがいもなどが原材料です。
作り方は、まず蒸留してアルコール度数80度ほどの蒸留酒を作ってから加水して40?60度まで薄めます。
さらに、シラカバあるいはアカシアの活性炭を使用してろ過後、熟成することなく瓶詰めするのが特徴です。
ろ過によって透明度が高くなり、味にクセがないのでカクテルなどによく使用されています。
「ソルティドッグ」や「モスコミュール」などが有名です。
(5)ジン
ジンは大麦やライ麦、じゃがいもなどが原材料でヒノキ科針葉樹の果実ジュニパーベリーによって香りづけしています。
また、製造する際に植物成分を加えるのが特徴です。
ジュニパーベリーも薬草の一つですが、ほかにもアニスやアンジェリカ、シナモンなどが使用されています。
ジンの味の決め手になるのがこれらボタニカル(植物成分)です。
穀物類が使用されているのは、ボタニカルの香りを活かすためですが、ブドウや米といった原材料の味や香りをあえて感じられるジンも誕生しています。
よくある質問
蒸留酒は太りにくいって本当?
蒸留酒は製造段階で糖質の多くを取り除くため、太りにくいです。
蒸留を繰り返す回数が多いほど純粋なアルコールに近づくため、より太りにくいお酒といえます。
ただ、カロリーがないわけではありません。
蒸留酒のカロリーはエンプティカロリーと呼ばれており、代謝で熱に変換されやすいものです。
しかし、蒸留酒を割って飲む際にジュースなどカロリーが高いものを使用すると、結果的にカロリーが高くなってしまうので注意しましょう。
好みがありますが、割って飲む場合は水やお湯、ノンカロリーソーダなどを使用するのがおすすめです。
二日酔いを起こしやすいのは蒸留酒と醸造酒どっち?
一般的に、蒸留酒と醸造酒では醸造酒のほうが二日酔いになりやすいといわれています。
二日酔いは、アルコール分解物質アセトアルデヒドの代謝が飲酒量に対して追いついていないことで起こるものです。
醸造酒を製造する際に酵母で発酵させますが、この際「コンジナー」と呼ばれる不純物ができます。
コンジナーには複数の種類がありますが、なかでもアセトン、エステル、タニンなどが二日酔いの主な原因になる傾向です。
その点蒸留酒は蒸留することでコンジナーが減少するため、醸造酒と比較して二日酔いになりにくいといえます。
ただ、ラム酒やブランデーはほかの蒸留酒よりコンジナーが多く含まれていますが例外です。
アセトアルデヒドは酵素によって分解されますが、酵素の生成をサポートするのがタンパク質となっています。
そのため、二日酔い対策としてお酒を飲むときにはタンパク質を多く含むものを食べたり、摂取したアルコール濃度を薄める水を積極的に飲んだりするのがおすすめです。
まとめ:蒸留酒と醸造酒について
適度な飲酒はコミュニケーションをとったり、気分転換になったりと良い点がさまざまあります。
お酒は大きく分けて醸造酒、蒸留酒、混成酒の3種類です。
- 醸造酒:原材料に酵母菌を加えて発酵したお酒
- 蒸留酒:醸造酒を蒸留したもの
- 混成酒:醸造酒や蒸留酒に果実や薬草、ハーブなどを加えたもの
醸造酒と蒸留酒を比較すると、アルコール度数は蒸留酒のほうが高いです。
しかし、蒸留している分、蒸留酒のほうが二日酔いになりにくくクリアですっきりとした味わいを感じられます。
また、含まれている糖分が少ないため、太りにくいのも良い点です。
醸造酒は、原材料そのままの香りを楽しめ、深いコクを味わえます。
日本酒やワインなどは、醸造酒の一種です。
発酵に使用する酵母菌が死滅しない濃度で製造しなければならないため、蒸留酒よりアルコール度数が低いのが特徴となっています
ただし、糖分もあるため飲みすぎないように気をつけましょう。
お酒は、醸造酒や蒸留酒、混成酒それぞれで香りや風味が異なります。
料理やそのときの雰囲気、気分で種類を変えるなど、飲み比べるのもおすすめです。
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